フィットネスレポート

トレーナー視点でみたロンドンオリンピックvol.15「マラソンと食事」

福岡市南区のパーソナルトレーニングスペース「Personal Body Management」
提携パーソナルトレーナー兼管理栄養士の吉村俊亮です。

オリンピック最終日は男子マラソン。個人的な注目は藤原新選手でした。

さて、今回は長い長いマラソンをハイペースで走りきるための鍵となる
食事について書いていこうと思います。
ここでヒントになるのは藤原新選手のブログでたまに出てくる炭水化物です。

 
では、なぜ炭水化物なのでしょうか。

それは、食事に含まれる平均的な栄養素の組成と体組成の違い(重量比)からわかります。
私たちが食べる食事の三大栄養素の割合は炭水化物60%、たんぱく質20%、脂質15%程度です。
そして、私たちの身体は炭水化物5%、たんぱく質45%、脂質30%程度で構成されています。
この数値を見て言えることは、食事から60%も炭水化物を摂っているのに身体には5%しか残らず、
たんぱく質・脂質は食事からの摂取以上に身体に蓄えられていること。

つまり、炭水化物はエネルギーに変わりやすいということです。

ダイエットで考えたとしても、このような理由から炭水化物抜きダイエットは
誤った方法だということがわかりますね。
最初は良くても、後からだんだん増えていきますよ。

ちなみに、藤原新選手は試合の前日の夜にカステラを食べるそうです。
エネルギー源の補給ということですね。
プラスでこの行為にはまだ他のメリットがあります。

それは・・・・試合前のストレスの緩和です。
甘いものは副交感神経を優位にさせるセロトニンという物質を分泌させる効果があります。
これによりリラックスできるんですね。

少し脱線してしまいましたが・・・
炭水化物がエネルギー源になりやすいのは分かっていただけたかと思います。
長い長いマラソンを走りきるには、当然炭水化物によるエネルギーが必要です。
なので・・・藤原新選手のようなアスリートは試合前に食事のコントロールをします。
皆さんがご察しの通り、炭水化物(グリコーゲン)を体内に蓄えるためにです。
しかも、通常時よりも多く、新鮮なグリコーゲンを取り入れます。

この方法がグリコーゲンローディングという方法です。

ものすごく簡単に説明すると、
試合数日前から前日まで炭水化物の多い食事をするといった感じです。
この方法で体内にエネルギー源を蓄え、レース中にドリンクなどでさらにエネルギーを補給して
完走できるようになります。

マラソンは、コンディショニングも大切ですが、
それ以上に栄養面が大きくかかわってくる競技です。
レース前までにいかにエネルギー源を体内に蓄えることができたのかが、
レース結果で見て取れるかもしれませんね。

がんばれニッポン

 
記事:吉村 俊亮
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トレーナー視点でみたロンドンオリンピックvol.14「日本バドミントン史上初の快挙!その裏にある結果を出すことの難しさ」

バドミントンの女子ダブルスでフジカキこと日本の藤井&垣岩ペアが
日本バドミントン初の銀メダルを獲得しました!
決勝戦では世界ランク2位の中国ペアに敗れはしましたが、
その活躍ぶりには今後の更なる期待を抱いてしまいます!

今回の2人の活躍により、改めてバドミントンに注目された方も多いのではないでしょうか?
体育の授業や遊びの中で気軽に出来るバドミントンですが、
ひとたび競技になれば瞬発力・持久力・俊敏性など様々な要素が求められる競技です。
私も競技経験者なのでバドミントンの過酷さは身をもって味わいました。

その中でもバドミントンのダブルスはとても奥が深く、難しい競技なのです。
卓球やテニスにもシングルス・ダブルスがそれぞれありますが、
シングルス・ダブルス専門で競技を行う種目は実はバドミントンぐらいなのです。
なかには両方兼ねて行う選手もいますが、
世界のトップを見ても両方兼ねてランキングに入っている選手はほとんどいません。

同じバドミントンでもシングルスとダブルスではまさに別競技、
その中においてダブルスで結果を残すためには力や技術だけでなく、
パートナーとの信頼関係も重要です。

今回フジカキペアがここまで活躍してきた背景には、
高校時代から培ってきたお互いの信頼関係が強く影響していると思われます。
また、表には出てきませんが、技術・トレーニング・栄養・分析など
各分野の専門スタッフによるサポートも当然ながら欠かすことは出来ません。
選手だけでなく、日本代表チームをサポートするスタッフの力・信頼関係がなければ
今回の結果はなかったはずでしょう。

これはどんな競技においても言えることですが、
選手のパフォーマンスを最大限に引き出す為には、
選手を支える人達の力が必要不可欠です。
今回の銀メダルは高校時代から寝食を共に練習してきたペアの絆と
それを陰ながら支えてきたサポートスタッフの努力が実った結果と言えるのではないでしょうか。

4年前の世界ランキングではオグシオペアの10位が最高でしたが、
今ではフジカキの5位まで上がってきました!!
着実に日本のバドミントンも世界に通じる力をつけているため、
今後の活躍にますます目が離せなくなりそうです!

記事:吉村 俊亮
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トレーナー視点でみたロンドンオリンピックvol.13「アーチェリーの動きから考える姿勢改善」

アーチェリーの弓を引く動作、皆さんは私生活でこのぐらい胸を開いていますか?

ロンドン五輪競技アーチェリー、
古川 高晴さんが銀メダル女子団体は銅メダルを獲得した競技です。
五輪では標的までの距離がすべて70メートル、標的122センチで射抜いたポイントを競います。
弓は、時速240km前後という新幹線なみの速さで飛びます。
正確なシューティングには、男子の場合20kgを超える引き重量をコントロールするための
強靱な筋力と、プレッシャーに打ち勝つ精神力が求められますね。

トレーニングで言うところの、プッシュ&プル、ショルダーローのトレーニング、
背中を鍛える動きに近いですね。
皆さんも素手でいいのでやってみてください。
片方の手を外に伸ばし(弓の持ち手側)、
もう片方の手の肘を曲げながら弓を引くように胸を開きます。

うまく出来ましたか?
意外と難しい!「胸がうまく開けない」「背中(肩甲骨)がよらない」などがありませんか?
私生活でデスクワークや車の運転などで胸が閉じた(背中が丸くなる)姿勢に慣れてしまい
弓を引くような動き(肩甲骨の動き)が苦手になっていることが考えられます。
肩こりや猫背でお悩みな方は特に苦手な可能性があります。
写真での動作では、下記の動きが考えられます。

・弾き手側の肩甲骨が背中側に寄せられる(内転)。
・弓の持ち手側は背中から開く動き(外転)がでていますね。
・背筋も伸びているため胸が開け、背中の筋肉も使えます。

猫背改善や肩コリ解消に有効な動きですね(該当しない方もいます)。
もちろん身体改善を考えるなら片側だけでなく
両側、右弾き手、左弾き手の両側を分けておこなう必要があります。
アスリートは競技特性から身体が偏りがちです。
皆さんも両手、両足を同じ力、動きを必ずしも同じようには使えていないと思います。
個人に合わせた身体調整(コンディショニング)が必要になります。
首の姿勢反射で頭の向いている方は手や肩などが伸ばしやすく、
後頭部側は曲げやすくなるという考え方もあります。

現代人の、胸を閉じたような姿勢には、アーチェリーのような
胸を大きく開く動きが必要だと思います。
アーチェリーを競技だけでなく身体改善に繋げて考えると
もっと良いものになるかもしれませんね。

記事:安部 光祐
Some rights reserved by BoxJarv

トレーナー視点でみたロンドンオリンピックvol.12「体幹トレーニングの成果」

皆さん、こんにちは^^
ダイエット・ボディメイク専門パーソナルトレーナーの高野麻衣子です。

4年に一度のオリンピック!
メダルラッシュに日本中が盛り上がりましたね。
皆さん、大興奮で眠れない日々を過ごしたのではないでしょうか?

今回のロンドンオリンピックは、普段TVをほとんどつけない私もバッチリ観戦しました(笑)
私がどうしてもオンタイムで見たかったのは、なでしこジャパンの試合。
決勝では惜しくも負けてしまいましたが、どれも本当に素晴らしい試合でした!
五輪初のメダル獲得、おめでとう!なでしこジャパン!

なでしこジャパンは、多くのスポーツ選手が行っている
「体幹トレーニング」を練習に取り入れてきたと言います。
銅メダルをとったハンマー投げの室伏選手も、
発育発達理論を取り入れた体幹トレーニングを行い、この大会に臨んだそうです。

 

体幹トレーニングの例

体幹トレーニングは、数年前からブームになっているので、ご存知の方も多いと思います。
体幹、つまり「お腹や背中、お尻といった体の中心部位」を鍛えるこのトレーニングは、
どの競技においてもパフォーマンスアップに大きな成果をもたらしてくれます。
体の幹となる部分が不安定だと、その上に乗る上半身が機能的に動けず、
下半身も余計なパワーを使わなければならなくなります。
上半身、下半身をよりしなやかに、より力強く、よりスピーディーに動かすためにも、
体幹を鍛えることは重要です。

ただし、忘れてはいけないのは
ただ体幹トレーニングすればいいという訳ではない
ということ。

スポーツ選手が体幹トレーニングを行う目的は、
パフォーマンスをアップして試合で結果を出すためです。
結果を出すための体作りの一助として、体幹トレーニングを行っているのであって、
トレーニングをすること自体が目的ではありません。
つまり、その鍛えた体幹の強さを実際のプレイで活かせなければ意味がないのです。

これは競技に限らず、姿勢改善のトレーニングにも同じことが言えます。
いくら姿勢改善に良いとされる体幹トレーニングを行っていても、
実際立ってみると姿勢が良くなっていない…という例はたくさんあります。
これは、せっかく鍛えた筋肉をうまく使えていない、
もしくはエクササイズの形を真似しているだけで
効果的なフォームでトレーニングができていないということです。

競技においても、姿勢改善においても、実際のプレーや実際の立ち姿を意識して、
トレーニングをどんどん応用していかなければなりません。

なでしこジャパンが素晴らしい結果を残すことができたのも、
体幹トレーニングなどによって鍛えた筋肉や体の使い方を、
実際にゲームに活かせるように意識して練習してきた成果ではないか?と私は思います^^

鍛えた体幹を使って、ゲーム練習で敵と競り合う。
そこで、敵とコンタクトしてもブレない体幹力がさらに身に着く。
そしてまたトレーニングを行う。

これを繰り返し行うことで、
体格差のある海外の選手と競り合っても
負けない強さやバランス力やが身につくのではないでしょうか?

 
皆さんはそこまで考えてトレーニングプランを組んでいますか?
目的が曖昧で、なんとなくこなすだけのトレーニングになっていませんか?

ぜひご自身の運動の仕方をこの機会に見直してみてくださいね^^
せっかくトレーニングをするなら、使えない体幹力ではなく、使える体幹力を身につけましょう!

 
記事:高野麻衣子

トレーナー視点でみたロンドンオリンピックvol.11「陸上はやはり速く走れる選手が強い」

男子100m決勝は見ごたえがありましたね。
1発失格ということもありスタートは慎重になっている感じがありましたね。
それでもボルト選手のリアクションタイムは0.16秒だったようで、
それほど遅いわけではなかったみたいです。
1番良かった選手で0.13秒だったようですし。

やはり大切なのはそこからどんどん加速していくことのように感じました。
ボルト選手のストライドはやはり大きかったですし、2位のブレイク選手も大きかったですね。
重心もどんどん前に移動しているように見えましたし、
地面に着いた脚はお尻を叩きそうなくらいまでしっかり上がってきていて、
脚が回転するように動いていました。

結局ボルト選手は世界記録こそ敗れませんでしたが、オリンピック記録を更新しました。
スタートももちろん大切ですが、だからといってスタートが全てではない
ということのように個人的には感じました。

その他にも女子の10,000mやマラソンも見ていましたが、
長距離でもランニングスピードがないと勝負にならないですね。
10,000mで優勝したディババ選手のラスト400mは62秒です。
それまで9,600m走っていたにも関わらずラストにこれだけの速さで走れるわけですから
戦略とか気持ちだけでは太刀打ちできないですね。
日本選手がトップを走っていたスタート当初のペースが72~74秒くらいでしたから
どれだけ速いか一目瞭然だと思います。

マラソンも石畳だったり、カーブが多い難コースでしたのであるテレビ番組では
「アフリカ選手が苦手なタイプのコースなので速い記録も出にくいと考えられるので
日本選手にもメダルの可能性も・・・」と言っていましたが、
雨が強く降ってその後晴れるという天候の変化もありながら
結局はオリンピック記録を塗り替えるという結果でした。
30km過ぎてから一気にペースが上がり5kmを16分21秒というペースになりました。
20km通過した時のペースが5kmを17分16秒でしたからね・・・

長距離とか短距離、スピードが出やすいコース、出にくいコースとか関係なく
単純に速く走れる選手が強いということを改めて思い知らされたように感じます。
上位に入ってくる選手は皆速く走ることができるだけの身体的レベル、技術を持っていますね。

水泳では世界の選手が会見で言っていましたが、
北島選手や入江選手などの泳ぎを研究して自分の泳ぎに取り入れたりもしているそうです。
あれだけ体格で日本人より勝っている海外の選手が速く泳ぐための技術を取り入れるわけですから
競泳全体のレベルも上がるのも納得です。
ほとんどの記録が高速水着を着用してのものでしたが、
このオリンピックでいくつも塗り替えられています。
身体的な能力のレベルの向上と技術の向上があったからこその結果かもしれませんね。

そう考えると陸上も速く走る技術を取り入れたり、
短い距離を走るスピードを向上させていくようにすることが必要なのかもしれませんね。

 
記事:岡田康志

トレーナー視点でみたロンドンオリンピックvol.10「100Mを速く走るには?」

【ロンドン五輪100M】ボルト選手、最後まで流さずに走り切りましたね。

忘れられないオリンピックのシーンと聞かれると、やっぱりロサンゼルスオリンピックの
カール・ルイスが思い浮かぶパーソナルトレーナーのLEANBODY(S)です。
ボディビルならシュワちゃんのように、記憶にも記録にも残る
陸上界のスターと言えばカール・ルイスをおいて他にいないと感じています。
さて、ボルトはレジェンドになれるのか・・・

男子100M決勝は相変わらずのジャマイカVSアメリカの様相を呈しましたが、
オリンピックレコードによる決着でボルトのオリンピック連覇達成となりました。
9秒80でメダルが取れないほどのハイレベルで
さすがのボルトも最後まで走りきってフィニッシュしてましたね。

100Mを速く走るにはどうしたらいいか?
手や足を一生懸命速く動かしたら速く走れそうな気もしますが、これは半分正解で半分間違いです。
胴体がスタート地点からゴール地点までいかに速く移動するかを競うわけですから、
身体が前に進まないといけません。
手足をできるだけ速く動かすことは大切ですが、
一歩一歩の幅、ストライドが出ないと速くゴールにはたどり着けません。
脚を速く動かすための神経系の反応はトレーニングによって伸びる可能性が低く、
またそれほどみんな差がありません。
手足を上手に、スムーズに、楽にうごかす事は練習によって可能です。
そうするとあと残された余地はストライドを広げる、
ゴールまでにかかる歩数を少なくすることが速く走るためのポイントになります。

ピッチ×ストライド

シンプルに考えたらこれだけです。
もう一つは、100Mを全力疾走するとはいえ、
本当に10秒間筋肉を緊張しっぱなしだとエネルギーが実は持ちません。
ですから、前半の加速していく(だんだんと区間スピードが増していく)段階で
いかにスピードをあげていけるか、そして60M以降の区間をいかに緊張を抜いて
そのスピードを維持して自然にまかせて走れるかという技術がいります。
100M準決勝をご覧いただいた方は感じたかもしれませんが、
日本代表、広島県出身の山縣選手は実にいい加速をみせ
60Mまではけっこういい線いってたのですが、
後半少し硬くなりずっと力が入りっぱなしの感じで走っていましたので、
後半はブレーク選手においていかれてしまいました。

スピードに乗せた後に抜く、というなかなか難しい技術を
あの短い時間の中にトップ選手は行っているのです。
スロー再生でみるとよくわかりますが、
肩などが上下に揺れて胴体も固まっている感じがしません。
垂直の地面反力、はずみ感を推進力にかえています。
カチッと固まった綺麗な姿勢と言うよりも自由に揺れている感じです。
あれがリラックス感なのかもしれません。

将来のオリンピック候補になるであろう小さいお子さんの「かけっこ」は
カチっとしたフォームではなく遊び心たっぷりの自由でのびのびとした走りをさせてあげましょう。

 
記事:高津諭

トレーナー視点でみたロンドンオリンピックvol.9「音と反応の関係」

競泳ではまだまだメダルラッシュが続いていますね。

競泳といえばタイムを競うわけですからスタートは大事になります。
しかし、競泳でフライングをする場面をほとんど目にすることはないと思います。
一方で陸上の短距離ではフライングが時々起こります。
韓国・テグで行われた世界陸上でウサイン・ボルト選手が
フライングで失格になったのが記憶に新しいところだと思います。

単純に陸上の100mだと10秒かからず終わりますが、
水泳だと100mでももう少し時間がかかります。
そういったことはあるのかもしれませんが、
音と人間の反応について書かれている本を読んだので
それについて書いてみようと思います。

人間が音を聞いて身体が反応するまでの時間は0.15秒ほどかかるそうです。
視覚の反応時間は0.2秒ほどだそうです。
つまり音というのは人間の反応の中でも敏感な刺激であるということです。

そして音の種類によっても反応に差があるのだそうです。
人間は電子的な音よりも、動物の声や足音のような実体が存在する音の方に意識が高まり、
実体のないコンピューターで作ったような音では意識が低くなるそうです。
水泳のスタートの音は電子音ですが、ピストル音になるとタイムに変化があるのかもしれませんね。

もう1つ面白いことが書かれていましたが、
人は頭の中で行為を行うと意識した時には既に行為を行なっているのだそうです。
100m走で言うと、世界陸上でのボルト選手のスタートの反応速度は予選が0.153秒、
準決勝が0.164秒だったのですが、実はアスリートはピストルの音が鳴ってから0.5秒後に
音が鳴ったことを知るそうです。
約0.15秒で足を動かし、それから遅れて0.35秒(計0.5秒)遅れて
走者の意識に音が浮上するのだそうです。
しかし、実際の反応時間を見ると0.5秒もかかりません。
スタートを練習することで音を聞いて判断してスタートするのではなく、
身体が音に反応してスタートするようになるということなのかもしれませんね。

人間には不思議なこと、面白いことが本当にたくさんありますね。

記事:岡田 康志
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トレーナー視点でみたロンドンオリンピックvol.8「必要な筋力を効果的に高める」

筋トレには指導者のアイデアが求められますね。
内村選手が個人総合で28年ぶりに金メダルに輝きましたね。
本当に素晴らしいことですね。

男子の体操を見ていると皆素晴らしい身体をしていますね。
最近では筋トレを取り入れている競技が増えていますが、
体操の場合は練習の様子を放送している番組を見たところ
特別に筋トレをしているわけではないようです。
内村選手も前回の北京オリンピックと比べて全身の筋肉が大きくなっています。
しかし技のキレは素晴らしいですし、他の選手ができないような難易度の高い技もできています。
ということは練習そのものが筋トレになっているということです。

下肢の筋肉を増やすためにスクワットをするという方法もあるとは思いますが、
練習の内容を考えていけば動きの練習、スキルの練習をしながら
競技に必要な筋力を高めることができるということです。
ジャンプして着地するだけで体重の何倍のストレスがかかるわけですから、
わざわざ重たいバーベルを担いで何かエクササイズをしなくても良いというわけです。

大切なことは『目的があって方法がある』ということです。
筋トレだからダンベルやバーベルを使って何かをすると考えるのではなく、
筋トレをどのようにして行うのかという方法を考えることです。
競技のトレーニングで考えてみるとどういった動作で発揮する力が必要なのか
といったところがとても重要です。
そうなるとその競技はどのような動き、どのようなスピード、どのようなパワーが必要なのか
ということをしっかり理解しておかなければなりません。
ただベンチプレス、スクワットといった方法だけを選手に押し付けても
思ったような結果に結びつかないことがたくさんあります。

トレーニング指導を仕事にしていますが、これほど複雑で難しいものはないと思います。
今ではたくさんのエクササイズを紹介した本がありますが、
1人1人の目的に合ったエクササイズを紹介しようと思うと
とんでもないページ数になってしまうでしょうし、おそらく紹介しきれないでしょう。
そこは指導する側のアイデアが求められるのところでしょうね。

記事:岡田 康志
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トレーナー視点でみたロンドンオリンピックvol.7「北島時代の終焉」

福岡市南区のパーソナルトレーニングスペース「Personal Body Management」
代表兼パーソナルトレーナーの小西基治です。

2012年8月2日の午前3時頃、
『北島選手の今のコンディションならメダルはほぼ間違いなく不可能だ』っと
頭では理解しながらも『彼ならやってくれるのではないか?』っと奇跡の復活という
小さな希望を胸に抱きTV越しに応援していた私に突き付けられたのは、
残り50メートルで失速、後輩の立石にまで抜かれてメダルを逃した元世界王者の姿だった…

結果が出た後に記事を書いているので、結果論だといわれるとそれまでですが、
100メートルの予選の時の身体を見た時に
『コンディショニングの失敗かもしれない』と感じていた。

身体に張りがない…

世界のトップが集まる五輪という舞台においては、少しのコンディションの不具合が命取りになる。
残念ながら、今回の北島選手の結果はまさにこれに当てはまってしまう。
トレーナーを職にされている方はもちろんご存知でしょうが、
コンディショニングを整えるにあたってはピリオダイゼーションという考え方がある。
簡単に言えば、身体のトレーニング状況を数ステージに分けて負荷をかけていき、
段階を踏みながら最高のパフォーマンスを発揮できる身体を作り上げていく考え方なのですが、
個人的には理論(科学的根拠)+α実績(経験)というものが必要になってくると考えている。

コンディショニングを整えるは想像以上に難しいのである。
心技体全てがそろって初めて最高のパフォーマンスを発揮できるのです
だからこそ、監督やコーチ、栄養士、トレーナーという職業が存在するのである!
今回、北島選手は練習拠点を米国におき、
メニューを自分で組み立てるようになったのは有名なのでご存知の方も多いかと思いますが、
これは即ち自分でピリオダイゼーションを組み立てコンディショニングを整えることに
チャレンジしたという事なのです。
これまでも、国民栄誉賞まで受賞したQちゃんこと高橋尚子選手も小出監督のもとを離れ
同様のことに着手したが、結果を出すことは出来なかったのです。

いくらこれまで良い結果を出してきている選手とはいえ、明らかに理論も実績も不足しており、
本当に難いことにチャレンジしたということが分かると思う。
それでも北島選手はこの難しいことにチャレンジし、自らの経験をもとに良い結果を出してきた!
その証拠に、昨年の世界選手権での惨敗から数か月後の4月の最終選考で自己ベストを更新!
自分の力で、過去の自分を超えたのです♪

しかし、その泳ぎを五輪の舞台で見ることは出来なかった…
世界選手権の敗戦により、選考会にピークを持ってこざる得なくなってしまったからだ。
下手したら代表漏れもある…
4月の選考会を万全の態勢で望むんだ!
最高の結果で出場権獲得!!
しかし、これが実は決定的な敗因となったのです。
選考会後の3カ月ではピリオダイゼーションの理論的に
ピークを持ってくることは出来なかったのです。

もし世界選手権で代表を決めていたら…
もし最終選考会は余裕をもってクリアできるという意識で調整できていたら…
今回の五輪の結果も違ったものになっていたのではないだろうか。
今更たらればなんか言っても仕方ありませんが…
Qちゃんの例をみても、結局のところは約三年前に平井コーチと離れ米国を拠点に
自らが中心となってやり始めた時点で、今回の結果は決まっていたのかもしれないですね…

ただ、私は彼の前人未到(2種目三連覇だけでなく自分でコンディションを整えて挑む金メダル獲得)
への挑戦に対して心の底から拍手を送りたい!
スタートから積極果敢に飛ばし、150メートルまで世界記録を上回るペースで
レースを引っ張っていく(限界と分かっていながらチャレンジする)姿に、
北島選手の意地を感じ、感動させて頂きました。

これまで多くの不可能を可能に変えてきた北島選手!
幾多もの感動を頂き、本当に『ありがとう』
次に彼のような意識レベルを持った選手が出てくるのはいつになるのかな?

 
記事:小西 基治
Some rights reserved photo by LordFerguson

トレーナー視点でみたロンドンオリンピックvol.6「メダリストのトレーニング方法」

連日暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
ロンドンではオリンピックで連日様々な種目が行われています。

私自身、一番注目していたのは水泳の北島康介選手です。
残念ながら3大会連続2種目でのメダル獲得とはなりませんでしたが、
3大会連続での出場したことが今後も記憶に残る選手であることは間違いないです。

もう一人注目しているのは背泳ぎの入江陵介選手です。
理由は、何度か入江選手のトレーニングの特集をテレビで見て思うことがあったからです。
入江選手の泳ぎと言えば、世界一綺麗な泳ぎと称されるほどしなやかで力みのないフォームです。
水泳素人の私が見ても綺麗な泳ぎだとわかります。

そこで、入江選手が一番多く取り入れているのは関節の柔らかさを出すというトレーニングでした。
筋肉を伸ばすためのストレッチではなく、関節の動きを出すようなトレーニングをしており、
ダンベルなどの重りを使ったトレーニングはほとんど行っていないようでした。

一方で、ライバルの海外の選手は重たい重りを振り回したり、
投げたりしてトレーニングを行っていました。
その選手にとある大会で負けて以来、少しずつ入江選手は
重りを使ったトレーニングを行うようになったそうです。
トレーニングの様子も流れていましたが、
ウェイトトレーニングには程遠い負荷でのトレーニングでした。

スポーツパフォーマンスを上げるのに必要なのは3つ。
①スキルの向上
②パワーの向上
③関節の動きと安定性

になります。

先程も書きましたが、関節の柔軟性はすぐれていますが、
パワーと安定性にのびしろがあるのではないかと思います。
さらに掘り下げて、どのようなパワーか?どのような安定性か?
背泳ぎの場合は腕の動きと脚の動きにともない、体がねじれながら泳いでいきます。
では、ここで必要な安定性はねじれるということに対しての安定性となります。
今回は銅メダルという成績は、本人がどこまで満足しているかはわかりませんが、
つぎを目指すためには何が必要なのかを考えれば、自ずとトレーニングの方法が見つかります。

何のトレーニングをやって良いのかわからない方々も、流行りの○○トレーニングや、
あの人がやってるトレーニングで判断せず、
柔軟性?
筋力?
動きやすさ?
スピード?
パワー?
持久力?
くびれ?
細い脚?
若返り?
健康増進?
痛み改善?・・・

など、どのようになりたいのかをご相談ください。

記事:岡本 雄作
Some rights reserved photo by Greatist

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